BtoB企業では、「ホームページからほとんど問い合わせが来ないから、あまり意味がないのでは?」と感じることがあります。実際、営業担当者からの提案や既存取引先からの紹介が中心で、ホームページ経由の新規問い合わせが月に何件も来る会社ばかりではありません。

ただ、BtoB企業のホームページを問い合わせ件数だけで評価するのは少し違います。 BtoBでは、問い合わせを生み出す前後にもホームページが使われる場面が多いからです。

営業担当者から会社を紹介されたあとに検索する。新しい取引先として問題がないか会社概要を確認する。社内で検討するためにホームページのURLを共有する。こうした行動は、問い合わせフォームの件数にはほとんど現れません。

BtoB企業にとってホームページは、営業マンの代わりというより、営業・取引・採用などを支える公式な情報源として考えると分かりやすいと思います。

BtoB企業ほどホームページが確認される場面は多い

BtoBでは、問い合わせからその場で購入するケースよりも、複数人で検討したり、商談を重ねたりして契約に至ることが多くあります。その過程で、会社について調べられる場面も増えます。

ホームページへのアクセス数そのものは多くなくても、重要な人に重要なタイミングで見られている可能性があります。

営業担当者から話を聞いたあとに検索される

例えば営業担当者が新しい会社へ訪問し、自社のサービスについて説明したとします。その場では話を聞いてもらえても、担当者が社内へ戻ったあとに会社名を検索することがあります。

「どんな会社なんだろう」「他にどんなサービスをしているんだろう」と確認するとき、最初に見る場所の一つが公式ホームページです。営業担当者が説明した内容を、ホームページでもう一度確認してもらうことができます。

紹介された会社について確認するときにも使われる

BtoBでは、取引先や知人から別の会社を紹介されることもあります。紹介者への信用があったとしても、数十万円、数百万円の取引になれば、相手企業について何も調べずに契約するとは限りません。

紹介された会社名を検索して、事業内容、会社概要、実績などを確認する。そのときにホームページがあることで、紹介後の判断材料を提供できます。

「問い合わせが少ない=ホームページが役に立っていない」ではない

ホームページの成果を確認するとき、分かりやすい数字として問い合わせ件数があります。問い合わせが10件来た、20件来たという数字は、確かに成果として非常に分かりやすいものです。

ただしBtoBでは、ホームページを見た人が必ずホームページから問い合わせるとは限りません。

ホームページを見てから営業担当者へ連絡することもある

すでに営業担当者と名刺交換をしている場合、ホームページを確認したあとに問い合わせフォームを使う必要はありません。そのまま営業担当者のメールアドレスや電話番号へ連絡するでしょう。

アクセス解析上はホームページへの訪問が1件増えただけです。しかし実際には、そのホームページが商談を進めるための確認材料になっている可能性があります。

既存の商談を後押ししていることもある

商談そのものは営業担当者が作っていても、契約前には相手企業からさまざまな確認を受けます。会社の規模、所在地、実績、対応内容などをホームページで確認されることもあるでしょう。

この場合、ホームページが新しい商談を生み出したわけではありません。それでも、すでに存在する商談を前へ進める役割を持っています。

BtoBでは社内共有されることも多い

BtoB取引では、一人の担当者だけで契約を決められないことがあります。担当者が興味を持ったあと、上司や経営者、別部署などへ情報を共有して検討することがあります。

そのとき、ホームページは非常に共有しやすい情報になります。

URLを送るだけで会社情報を共有できる

営業担当者が紙の会社案内を渡していたとしても、それを社内の全員へ回覧するのは少し面倒です。一方、ホームページならURLを送れば、必要な人がそれぞれ確認できます。

「この会社です」とURLを共有すれば、会社概要やサービス内容、実績などを同じ情報で確認できます。これはBtoBにおけるホームページの大きな役割の一つです。

稟議や社内検討の材料になる

企業によっては、新しい取引先と契約する前に社内稟議が必要です。その際、相手企業がどのような会社なのかを確認するために、公式ホームページを参照することがあります。

ホームページそのものだけで稟議が通るわけではありませんが、会社情報を確認できる公式な場所があることは、検討を進めやすくします。

BtoB企業のホームページは「公式情報」であることが大切

SNSやGoogleマップ、企業情報サイトなど、会社について調べる方法は増えています。それでも、自社で管理できる公式ホームページには独自の役割があります。

第三者が掲載した情報ではなく、会社自身が現在の情報を掲載している場所だからです。

事業内容を正確に伝えられる

BtoBのサービスは、一般消費者向けの商品よりも内容が複雑なことがあります。専門的な業務や業界特有のサービスでは、会社名を見ただけでは何をしているのか分からないこともあります。

ホームページがあれば、何を提供している会社なのか、どんな企業を対象としているのかを自社の言葉で説明できます。営業担当者以外の人が見ても理解できるようにしておくことが重要です。

会社概要をいつでも確認してもらえる

所在地、代表者、電話番号、事業内容など、基本的な会社情報を確認したい場面もあります。毎回営業担当者へ問い合わせてもらう必要はなく、ホームページを見れば分かる状態にしておけます。

特に新規取引では、「どんな会社なのか」が最低限確認できることが安心材料になります。

BtoBホームページで掲載しておきたい内容

BtoB企業のホームページだからといって、必ず大規模なサイトを作る必要はありません。まずは取引前に相手が確認したい情報をきちんと用意することが大切です。

会社によって必要な内容は変わりますが、基本的には次のような情報が考えられます。

会社概要

会社名、所在地、代表者、連絡先、事業内容などの基本情報です。BtoBでは取引前に会社情報を確認することがあるため、特に重要なページです。

設立年、資本金、主要取引先、許認可なども、必要に応じて掲載するとよいでしょう。ただし、掲載する情報は業種や取引形態に合わせて考えます。

サービス・事業内容

何を依頼できる会社なのかを分かりやすく説明します。複数の事業を行っている場合は、サービスごとにページを分けると理解しやすくなります。

営業担当者から聞いた内容を確認するために見られることもあるため、専門用語だけでなく、初めて見る人にも分かる説明を意識します。

実績や導入事例

BtoBでは、「同じような会社との取引実績があるか」を確認されることがあります。過去の事例を掲載できるなら、サービスを具体的に理解してもらいやすくなります。

守秘義務などで会社名を出せない場合でも、業種や対応内容だけ紹介できることがあります。公開できる範囲で十分です。

問い合わせ先

営業担当者とすでにつながっている人だけがホームページを見るわけではありません。初めて見た人が問い合わせたいと思ったときに、連絡方法が分からないのはもったいない状態です。

問い合わせフォーム、電話、メールなど、自社に合った窓口を分かりやすく掲載しておきます。

アクセス数が少なくても問題ないBtoBサイトはある

ホームページを運営していると、アクセス解析の数字が気になることがあります。月間数万アクセスあるサイトと比べると、自社サイトの数百アクセスが少なく感じるかもしれません。

しかしBtoBでは、アクセス数の多さだけでは価値を判断できません。

100人の関係ない人より10人の取引候補

例えば、一般消費者向けの記事がSNSで拡散されて1万人に読まれても、自社の商品を買う人が一人もいなければ、事業への影響はほとんどありません。

反対に、月10人しか見ていなくても、その10人が取引を検討している会社の担当者なら非常に重要なアクセスです。BtoBでは「何人見たか」だけでなく、「誰が何のために見たか」を考える必要があります。

会社名で検索されるだけでも意味がある

積極的にSEOを行わなくても、会社名で検索したときに公式ホームページが表示されることには意味があります。営業先、紹介先、求職者などが会社について調べる受け皿になります。

すべてのBtoB企業が大量の検索流入を目指す必要はありません。まずは必要な人が会社名を調べたとき、必要な情報へたどり着けることが重要です。

BtoBでもSEOが必要な会社はある

ここまで「問い合わせ数やアクセス数だけではない」と説明してきましたが、BtoB企業にSEOが不要という意味ではありません。新規顧客をWebから獲得したい会社では、検索流入を増やすことが重要になります。

ホームページに何を求めるかによって、必要な施策は変わります。

新規顧客を検索から獲得したい場合

例えば、特定の業務を外注したい企業がGoogleで制作会社や業者を探している場合があります。その検索結果に自社が表示されれば、新しい商談につながる可能性があります。

この場合は、サービスページを充実させたり、検索キーワードを意識したコンテンツを作ったりする意味があります。

営業・紹介中心なら優先度は変わる

一方で、新規取引のほとんどが営業や紹介から来ている会社もあります。その会社が現在の営業方法で十分な売上を作れているのであれば、SEOへ大きな費用を投じる必要がないこともあります。

「BtoBだからSEOをする」ではなく、新規顧客をどこから獲得したいのかで考えます。

BtoB企業でもホームページを更新し続ける必要はない

ホームページを持つと、「毎月ブログを書かなければならない」と思う方もいます。しかし、すべてのBtoB企業に継続的なコンテンツ更新が必要なわけではありません。

会社案内や営業支援が主な目的なら、必要な情報が最新の状態になっていることの方が重要です。

毎週ブログを書く必要はない

SEOによる集客を積極的に行う会社なら、コンテンツを増やす意味があります。しかし、紹介や営業後の確認先として使うのであれば、毎週記事を書くことが成果につながるとは限りません。

無理に更新を続けるより、サービス内容や会社概要が正しい状態になっている方が大切です。

変更があったときに直せればいい

サービス内容が変わった。所在地が変わった。スタッフが変わった。こうした変更があったときには、ホームページも更新した方がよいでしょう。

反対に、何も変わっていないのに「更新しなければ」と無理に記事を作る必要はありません。更新頻度より情報の正確さを優先します。

古いホームページは営業の邪魔になることもある

ホームページはあるだけでいいわけではありません。特に営業活動で会社名を知られたあとに見られるのであれば、現在の会社と内容が合っていることが重要です。

古い情報が残っていることで、営業担当者の説明とホームページの内容が食い違うこともあります。

営業担当者の説明と違う情報が載っている

例えば営業担当者が、「現在はこのサービスに力を入れています」と説明したのに、ホームページには昔のサービスしか載っていない。この状態では、相手がどちらを信じればよいか分からなくなります。

料金、対応地域、サービス内容なども同じです。営業活動を支えるホームページなら、現在の事業内容と一致している必要があります。

古いデザインより古い情報の方が問題

デザインが数年前のものであっても、見やすく情報が正しければ使えることがあります。逆に、デザインだけ新しくても、会社情報が間違っていれば問題です。

BtoBでは、派手さよりも正確さや分かりやすさが重要になることがあります。リニューアルを考えるときも、まず現在の情報とズレていないか確認してみるとよいでしょう。

BtoBホームページは採用にも使われる

企業ホームページを見るのは顧客や取引先だけではありません。求人を見た求職者も、応募前に会社名を検索することがあります。

特にBtoB企業は、一般消費者から会社名を知られていないことも多いため、ホームページが会社を理解する重要な場所になります。

求職者は仕事内容以外も見ている

求職者は、何をしている会社なのか、どんな雰囲気なのか、どこにあるのかなどを確認します。採用サイトを別に用意していなくても、通常の企業ホームページが参考になります。

採用を積極的に行うなら、仕事内容、会社の考え方、スタッフなどの情報を追加してもよいでしょう。

ホームページがないと会社情報を調べにくい

求人サイトに募集要項が載っていても、それだけでは会社全体について分からないことがあります。会社名を検索して公式サイトがあれば、より詳しく確認できます。

採用目的だけでホームページを作る必要はなくても、既存の企業サイトが採用活動を支えることはあります。

BtoB企業のホームページは大規模でなくてもいい

BtoBだからといって、数十ページ、数百ページのホームページが必要とは限りません。会社の規模、事業数、ホームページの目的によって必要な情報量は変わります。

特に営業や紹介を中心とする会社なら、基本情報が整理されたシンプルなサイトでも十分役割を果たせます。

会社について一通り分かれば役割を果たせる

会社概要、サービス、実績、お問い合わせなどが分かれば、取引前の確認先として機能します。必要に応じて採用やよくある質問などを追加していけばよいでしょう。

最初から大量のページを作るより、必要な情報を確実に掲載する方が大切です。

必要になったときに増やせばいい

後からWeb集客を強化したくなれば、サービスページやコラムを増やすこともできます。採用を強化するなら、採用ページを追加できます。

ホームページは一度作ったら完成ではありません。会社の状況に合わせて必要な情報を追加していけば問題ありません。

BtoB企業のホームページで大切なのは「取引の邪魔をしないこと」

ホームページだけで契約を獲得しようとすると、どうしても「成果を出すサイト」「問い合わせを増やすサイト」という発想になりやすくなります。もちろん、それが必要な会社もあります。

しかし、BtoB企業の場合はもう少しシンプルに、営業や取引の途中で相手が確認したとき、不安や疑問を増やさないホームページという考え方もできます。

必要な情報が普通に見つかる

会社概要を探しているのに見つからない。サービス内容を知りたいのに説明がない。このようなホームページでは、相手に余計な手間をかけてしまいます。

特別な仕掛けがなくても、知りたい情報へすぐたどり着ければ十分です。

会社の現在の姿と一致している

営業担当者が話している内容とホームページが一致している。名刺に書かれた会社名を検索すると公式サイトが見つかる。掲載されている住所や電話番号も正しい。

こうした当たり前のことが、BtoBのホームページでは意外と重要です。

ESコンピューティングではBtoB企業の会社案内サイトも制作しています

ESコンピューティングでは、すべてのホームページに大量の問い合わせを求める必要はないと考えています。営業や紹介で仕事を獲得している企業であれば、その営業活動を支えるホームページでも十分意味があります。

「ホームページから月30件問い合わせが欲しい」という会社と、「取引先が確認できる公式サイトが欲しい」という会社では、必要なホームページも違います。

「会社としてちゃんとしたサイトを持ちたい」でもいい

会社名を検索されたときに、現在の会社情報がきちんと表示される。営業先や紹介先にURLを渡せる。取引前に実績やサービス内容を確認してもらえる。

そうした目的でホームページを作ることも、十分に意味があります。

公開後の管理も任せられる

BtoB企業では、ホームページ専任担当者がいないこともあります。頻繁に更新するわけではないのに、サーバーやドメイン、WordPressの管理まで自社で行うのは負担になることがあります。

ESコンピューティングでは、公開後のサーバー、ドメイン、システム更新、バックアップなども継続して管理しています。変更が必要になったときには、修正をご依頼いただけます。

まとめ|BtoBのホームページは営業・取引を支える公式な受け皿

BtoB企業では、ホームページから大量の問い合わせが来ないことがあります。だからといって、ホームページが役に立っていないとは限りません。

営業担当者から話を聞いたあと。取引先から紹介されたあと。社内で取引先候補を共有するとき。採用応募を考えているとき。ホームページはさまざまな場面で確認されます。

そのため、BtoB企業のホームページは、問い合わせを生み出す営業マンの代わりというより、営業や取引を支える公式資料に近い存在として考えると分かりやすいと思います。

アクセス数が少なくてもいい。毎月問い合わせが来なくてもいい。毎週ブログを更新しなくてもいい。

必要な人が会社について調べたときに、何をしている会社なのか、どんな実績があるのか、どこにあるのか、どう連絡すればいいのかがきちんと分かる。それだけでも、ホームページは役割を果たしています。

「問い合わせが少ないからホームページは不要」ではなく、「問い合わせ以外にどんな役割を果たしているのか」まで考える。

BtoB企業にとってホームページは、新規顧客を集めるためだけのものではありません。営業・取引・採用を支える会社の公式な受け皿として、持っておく意味があります。