ホームページは売上を増やすためだけのもの?企業が持っておく意味を考える

ホームページ制作会社のWebサイトを見ると、

「問い合わせを増やします」

「売上につながるホームページを作ります」

「成果の出るWebサイト」

といった言葉をよく見かけます。

もちろん、ホームページから新しい問い合わせが増えたり、売上につながったりするのは大きな成果です。

ただ、企業ホームページの役割はそれだけなのでしょうか。

ホームページを公開したものの、そこから毎月たくさん問い合わせが来るわけではない。

それでも、

  • 会社名を検索した人に事業内容を知ってもらう
  • 紹介された人に会社を確認してもらう
  • 営業先に詳しい情報を見てもらう
  • 求職者に会社について知ってもらう
  • 取引先に所在地や連絡先を確認してもらう

といった形で、ホームページが使われていることがあります。

これらは、問い合わせ件数や売上だけでは測りにくい役割です。

この記事では、ホームページの「成果」を問い合わせや売上だけで考えず、企業がホームページを持っておく意味について考えてみます。

目次

ホームページの成果=問い合わせ件数とは限らない

ホームページの成果を考えるとき、最も分かりやすい数字は問い合わせ件数です。

例えば、

「ホームページをリニューアルしたら、月3件だった問い合わせが月10件になった」

のであれば、とても分かりやすい成果です。

ECサイトであれば、売上金額や購入件数も数字として確認できます。

しかし、すべての企業ホームページが、このように直接的な成果を出すために存在しているわけではありません。

特に、

  • BtoB企業
  • 紹介営業が中心の会社
  • 既存顧客との取引が中心の会社
  • 地域密着型の事業者
  • 新規顧客を大量に必要としていない会社

では、ホームページから直接問い合わせが発生するケース自体がそれほど多くないこともあります。

だからといって、

「問い合わせが少ないからホームページには意味がない」

とは限りません。

ホームページは「会社を調べた人」を受け止める場所でもある

今では、会社について何か知りたいときに、まず検索する人が珍しくありません。

例えば知人から、

「この会社いいよ」

と紹介されたとします。

その場ですぐ電話する人もいるかもしれませんが、

「どんな会社なんだろう?」

と、一度会社名を検索する人も多いでしょう。

そこでホームページが表示され、

  • どんな仕事をしているのか
  • どこにある会社なのか
  • どんな人が運営しているのか
  • どんな実績があるのか
  • どのように問い合わせればいいのか

が分かれば、その人は安心して次の行動へ進みやすくなります。

つまりホームページには、

自分から新しい顧客を探しに行くだけではなく、すでに会社に興味を持った人を受け止める役割

もあります。

紹介で仕事が決まっても、ホームページが関わっていることがある

例えば、次のような流れを考えてみます。

取引先から会社を紹介される。

その会社名をGoogleで検索する。

ホームページを見る。

事業内容や実績を確認する。

その後、紹介者を通じて連絡する。

この場合、ホームページのお問い合わせフォームから問い合わせが来たわけではありません。

アクセス解析を見ても、

「ホームページ経由で1件受注した」

とは判断しにくいでしょう。

しかし、もしホームページがなかったらどうでしょうか。

会社名を検索しても、

  • 会社情報がほとんど出てこない
  • SNSしか見つからない
  • 古い情報しかない
  • どんな事業をしているのか分からない

という状態だったかもしれません。

その結果、問い合わせをやめる人もいるかもしれません。

ホームページが直接仕事を取ったわけではなくても、

商談や問い合わせの途中で、判断を後押ししている可能性があります。

営業活動を補助する役割

営業担当者が新しい会社を訪問したとします。

その場ですべてのサービス内容や実績を説明するのは難しいものです。

そこで、

「詳しい内容はホームページにも掲載しています」

と案内できれば、

営業後に相手が自分のタイミングで情報を確認できます。

例えば、

  • サービス詳細
  • 制作実績
  • 施工事例
  • 設備
  • 対応エリア
  • 会社概要
  • よくある質問

などです。

ホームページが自動的に営業してくれるというより、

営業活動を補完する資料

として使うことができます。

名刺やパンフレットより多くの情報を掲載でき、必要に応じて内容も修正できます。

「この会社、本当にあるのかな?」を確認する場所

新しい取引先について調べるとき、

「公式ホームページがあるか」

を確認した経験がある人もいるのではないでしょうか。

もちろん、ホームページがあるだけで会社の信用が保証されるわけではありません。

しかし、

  • 会社名
  • 所在地
  • 電話番号
  • 代表者
  • 事業内容
  • 実績
  • 問い合わせ先

などが整理されていることで、相手が会社について確認しやすくなります。

特に、これまで接点のなかった会社から営業を受けたり、紹介を受けたりした場合には、

相手を知るための一次情報

として公式ホームページが見られることがあります。

SNSがあってもホームページの役割は残る

最近では、

「Instagramがあるからホームページはいらない」

「SNSだけで十分」

という考え方もあります。

実際、飲食店、美容関連、クリエイターなど、SNSを中心に集客している事業者もいます。

SNSには、

  • 日常的な情報を発信しやすい
  • 写真や動画を見てもらいやすい
  • フォロワーとつながれる
  • 拡散される可能性がある

といった強みがあります。

一方でホームページには、

  • 情報を体系的に整理できる
  • 会社概要をまとめて掲載できる
  • サービスごとに詳しく説明できる
  • 必要な情報へ案内しやすい
  • 公式情報の置き場所を作れる

という役割があります。

そのため、

SNSかホームページか、どちらか一方を選ばなければならないわけではありません。

SNSで会社を知り、ホームページで詳しく確認する。

逆に、ホームページを見たあとInstagramを見て会社の雰囲気を確認する。

という使われ方もあります。

採用でもホームページは見られる

ホームページの成果を新規顧客からの売上だけで考えると、採用への効果も見落としやすくなります。

求人サイトで会社を見つけた求職者が、応募する前に会社名を検索することがあります。

そのとき、

  • どんな会社なのか
  • どんな仕事をしているのか
  • どんな人が働いているのか
  • 会社の雰囲気
  • 事業の規模
  • 所在地

などを確認します。

応募自体は求人サイトから行われるかもしれません。

その場合も、

「ホームページから応募が来た」

という数字にはなりません。

しかし、ホームページを見たことが応募の判断材料になっている可能性があります。

既存顧客にも使われる

ホームページを見るのは新規顧客だけではありません。

既存顧客が、

  • 電話番号を確認する
  • 営業時間を確認する
  • サービス内容を見る
  • 担当部署を確認する
  • 問い合わせフォームを利用する

こともあります。

電話で毎回案内していた情報をホームページへ掲載すれば、顧客側も好きなタイミングで確認できます。

こうした役割も、売上として直接計測することは難しいものです。

ホームページがないことで失うものもある

ホームページを持つメリットだけではなく、

ホームページがないことで何が起こるか

を考えてみると分かりやすいかもしれません。

例えば会社名を検索した人が、

「公式ホームページが見つからない」

という状態になったとします。

その人は、

  • Googleマップを見る
  • SNSを見る
  • 法人情報サイトを見る
  • 求人サイトを見る
  • 他社のページを見る

など、別の情報を頼りに判断することになります。

それで十分な会社もあります。

一方で、

「結局どんな会社なのかよく分からない」

「このサービスについて詳しく知りたいけれど情報がない」

となれば、そのまま離脱する可能性もあります。

ホームページがあることで必ず売上が増えるとは言えません。

しかし、

会社について知ろうとしてくれた人に、必要な情報を渡せない機会損失を減らす

という意味はあります。

小さな会社にもホームページは必要?

従業員が何十人、何百人といる会社だけがホームページを必要としているわけではありません。

むしろ、

  • 数人で運営している会社
  • 個人事業
  • 地域密着型の会社
  • 紹介営業が中心の会社

でも、会社名や屋号を検索されることがあります。

会社規模が小さいからこそ、

「どんな人がやっている会社なのか」

「本当に対応してくれる会社なのか」

を事前に確認したい人もいます。

もちろん、開業したばかりで予算がほとんどない場合や、SNSだけで十分に仕事が成立している場合など、急いでホームページを作る必要がないケースもあります。

ただ、

会社として長く事業を続けていくのであれば、基本的な情報を掲載したホームページを用意しておく価値はある

と考えています。

すべての会社がホームページ集客に力を入れる必要はない

ホームページを作ったら、

「SEOをしなければ」

「ブログを書かなければ」

「広告を出さなければ」

と考える必要もありません。

もちろん、ホームページから積極的に新規顧客を獲得したいのであれば、集客施策は必要です。

しかし、会社によっては、

  • 紹介で十分に仕事がある
  • 既存顧客から継続的に受注している
  • 営業活動で新規顧客を獲得している
  • 新規案件を大量に増やす必要がない

という場合もあります。

その会社に、

「毎週ブログを書きましょう」

「SEOでアクセスを増やしましょう」

と言っても、本当に必要とは限りません。

ホームページの役割が会社案内や信用確認なのであれば、

必要な情報を掲載し、必要なときだけ修正しながら使う

という方法でも十分です。

会社案内としてのホームページでも意味がある

企業ホームページというと、

「問い合わせを取れるように作らなければ意味がない」

と思われることがあります。

しかし、

会社案内として使うホームページ

にも十分な役割があります。

例えば、

  • TOPページ
  • 事業内容
  • 会社概要
  • 実績
  • 採用情報
  • お問い合わせ

といった基本的なページを用意する。

そして、会社について調べた人が、

「こういう会社なんだ」

と理解できるようにしておく。

それだけでも企業ホームページとして一つの目的を果たしています。

ホームページの価値はアクセス数だけでも測れない

ホームページを公開すると、アクセス数が気になることがあります。

もちろん、

  • 何人見ているか
  • どのページが見られているか
  • どこからアクセスされているか

を確認することには意味があります。

しかし、

アクセス数が少ない=価値がない

とも限りません。

例えばBtoB企業で、ホームページを月100人しか見ていなかったとしても、その中に、

  • 大口取引を検討している会社
  • 採用応募を考えている人
  • 新しい取引先
  • 金融機関

などが含まれているかもしれません。

月に1万人が読んでいても誰も顧客にならないホームページと、月100人でも事業に関係する人が見ているホームページでは、単純にアクセス数だけで比較できません。

直接測れない成果もある

企業ホームページでは、

成果が発生していても数字として把握できないこと

があります。

例えば、

紹介された人の確認

紹介された人がホームページを見て、その後紹介者へ返事をする。

営業後の確認

営業担当者と話したあと、社内でホームページを確認してから契約する。

採用応募前の確認

求人サイトで会社を知り、ホームページを見てから求人サイトへ戻って応募する。

既存顧客の確認

取引中の顧客がサービス内容や会社情報を確認する。

こうしたケースでは、ホームページが意思決定に関わっていても、

「ホームページから問い合わせが来た」

という形では残りません。

企業ホームページの価値を考えるときには、

直接獲得した問い合わせだけではなく、事業全体の中でどのように使われているのか

を見ることも大切です。

もちろん、問い合わせを増やすホームページも重要

ここまで「ホームページの成果は売上だけではない」と書いてきましたが、

問い合わせや売上を増やすことを否定しているわけではありません。

新規顧客を増やしたい会社であれば、ホームページを積極的な集客手段として使う価値があります。

その場合には、

  • SEO
  • Web広告
  • Googleマップ
  • SNS
  • 事例
  • コンテンツ
  • ランディングページ
  • 問い合わせ導線

などを考えていく必要があります。

重要なのは、

すべての企業ホームページに同じ成果を求める必要はない

ということです。

会社によって、ホームページに求める役割は違います。

「成果の出るホームページ」の成果とは何か

「成果の出るホームページ」という言葉自体が間違っているわけではありません。

問題は、

何を成果とするのか

です。

会社によっては、

「毎月問い合わせを5件獲得すること」

が成果かもしれません。

別の会社では、

「営業先から会社を検索されたときに、必要な情報をきちんと伝えること」

かもしれません。

また別の会社では、

「求人応募者が安心して応募できること」

かもしれません。

ホームページ制作を考えるときには、

「成果を出したい」

だけではなく、

自社にとって何が成果なのか

まで考えてみると、必要なホームページが見えてきます。

ESコンピューティングでは、ホームページを事業の基本的な情報基盤として考えています

ESコンピューティングでは、ホームページを必ずしも、

「大量の問い合わせを生み出す集客装置」

としてだけ考えているわけではありません。

もちろん、問い合わせ獲得を目的としたホームページ制作にも対応します。

一方で、

「会社としてホームページは持っておきたい」

「紹介された人に見てもらえる場所がほしい」

「名刺交換した人に会社について確認してもらいたい」

「会社案内として最低限きちんとしたサイトを用意したい」

という目的でも問題ありません。

実際、すべての会社が毎月たくさんの問い合わせを必要としているわけではないからです。

普段はほとんど更新しなくても使える

会社案内として使うホームページであれば、事業内容に大きな変更がない限り、頻繁に更新する必要がない場合もあります。

ESコンピューティングでは、

  • サーバー管理
  • ドメイン管理
  • システム更新
  • セキュリティ対策
  • バックアップ

などを継続して行っています。

そのため、お客様自身が日常的にホームページの管理をすることを前提としていません。

普段はそのまま使い、

  • 料金が変わった
  • 営業時間が変わった
  • サービスが増えた
  • スタッフが変わった
  • 写真を変更したい

といったときだけ修正する使い方もできます。

公開後の修正は月2回までご依頼いただけます。

ホームページは「あるだけで売上が増える」ものではない

ホームページを作れば、必ず売上が増える。

ホームページを作れば、毎月問い合わせが来る。

というものではありません。

ホームページから積極的に集客したいのであれば、それに合わせた仕組みや運用が必要です。

ただし、

「売上が直接増えないならホームページはいらない」

とも限りません。

会社を調べた人に情報を渡す。

紹介を受けた人に安心してもらう。

営業活動を補助する。

採用候補者に会社を知ってもらう。

既存顧客に情報を案内する。

こうした役割も、企業ホームページが持つ大切な価値です。

企業ホームページは「会社の公式な情報の置き場所」

ホームページの役割を一言で表すなら、

会社の公式な情報をまとめて置いておける場所

とも言えます。

SNS、Googleマップ、求人サイト、ポータルサイトなど、会社について情報を掲載できる場所はたくさんあります。

それぞれ非常に便利なサービスです。

その中で、自社のホームページには、

  • 会社について
  • サービスについて
  • 実績について
  • 採用について
  • 問い合わせについて

など、自社が伝えたい情報を自社で整理して掲載できます。

そして、他の媒体から興味を持った人をホームページへ案内することもできます。

新しい問い合わせを獲得することだけではなく、

事業をしている会社として、必要な情報をいつでも確認できる状態にしておく。

それもホームページを持つ意味の一つです。

まとめ|問い合わせや売上だけがホームページの成果ではない

ホームページの成果として、問い合わせ件数や売上は非常に分かりやすい指標です。

しかし、それだけが企業ホームページの価値ではありません。

ホームページは、

  • 会社の信用確認
  • 紹介された人への情報提供
  • 営業活動の補助
  • 採用活動
  • 既存顧客への案内
  • 会社の公式情報の掲載

など、さまざまな場面で使われます。

その中には、アクセス解析や問い合わせ件数だけでは測れないものもあります。

すべての会社がSEOに力を入れたり、毎週ブログを書いたり、大量の問い合わせを獲得したりする必要はありません。

しかし、

会社について知りたいと思った人が、必要な情報をきちんと確認できる場所を用意しておくことは、多くの事業者にとって意味があります。

ホームページを作るときには、

「何件問い合わせを増やすか」

だけではなく、

「自社にとって、ホームページにどんな役割を持たせたいのか」

から考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

森口 桂祐 ESコンピューティング 代表

静岡県島田市在住のITサポート専門家兼Web制作のプロフェッショナル。前職で培ったスキルを活かし、地域企業や個人事業主のデジタル化を支援。「フットワーク軽く、親切に」をモットーに、ITを通じて地域活性化に取り組んでいます。

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